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黒の組織(くろのそしき)は青山剛昌の漫画作品と、それを原作とするアニメ・テレビドラマ『名探偵コナン』に登場する犯罪組織。ここでは原作とは一線を画したオリジナルストーリーである「特別編」も含めた黒の組織の関係者も扱う。

黒の組織が関わった原作の事件は、「名探偵コナンの事件#黒の組織が関わった事件」参照

概要 編集

黒の組織とは、工藤新一の身体を小さくした毒薬・APTX4869を開発した国際的犯罪組織のことである。「黒の組織」という名称は仮称であり、正式名称は2012年3月現在不明である。所属する者は皆、上から下まで黒の装束に身を包み任務を行う。現時点では、重要人物の暗殺、裏での金銭やプログラムソフトの取引、謎の薬の開発などを行っていること、また半世紀前から「極秘プロジェクト」を進めていることが明らかになっている。その力は政界、企業、医療、科学といった各界の重鎮達にも及んでおり、その中で最も優秀な人間を組織の一員としてヘッドハンティングしている。

組織の暗殺のターゲットとなるのは、秘密の取引相手や組織から抜け出した裏切り者をはじめ、将来的に組織の脅威となる可能性がある者である。接触は裏だけで行っていた者、直接的には組織と関連がない者であるため、基本的には暗殺者が事件の捜査の容疑者候補に浮かぶことすらない。暗殺するのは極力ターゲットのみであるが、暗殺の瞬間や証拠を目撃した者も即座に抹殺する。もし途中で暗殺者の正体が露見した場合、たとえそれが組織の重要人物であろうとも迷わず抹殺するなど、現場に証拠をまったく残さず暗殺を果たすやり方をする[1]。組織の暗殺では、ライフルや爆弾、毒薬を補助的に用いるが、基本的には拳銃(場合によってはサイレンサー付き)を用いる。

構成員のコードネームについて 編集

組織に属する幹部格の人間には酒やカクテルの名前に由来するコードネームが付けられており[2]、通常お互いをそのコードネームで呼び合う。

組織のトップである「あの方」と呼ばれる人物を筆頭に、ジンとウォッカ、ベルモットのほか何名もの関係者が確認されている。なお、下記で本名と記されている名前も、偽名の可能性がある。

アニメにおける変更点 編集

テレビアニメでは当初、放送が始まったばかりでまだ組織を登場させられないと判断されたことと途中打ち切りになったとしても収拾がつけられるように、初年で組織が関係する「新幹線大爆破事件」と「奇妙な人捜し殺人事件」ではこの組織を登場させず、別の犯人に置き換えその犯人が逮捕される話に変更された。

やがてアニメ放送が軌道に乗ってから、後者の事件は灰原哀の登場に当たって必要不可欠な重大事件となったため、原作の本筋を残し、残りは大幅にリメイクした別エピソードとして「黒の組織10億円強奪事件」が制作された。しかし前者での重要点は「ジンとウォッカのコードネームが発覚する」ことのみだったため、代替エピソードが制作されなかった。このため、アニメではジンとウォッカのコードネームは「霧天狗伝説殺人事件」において、これまでのあらすじを振り返る形で紹介された。

なお、それ以降の黒の組織が絡む事件は、「奇妙な人捜し殺人事件」のように原作との矛盾が生じるとその後のストーリーを展開するのが困難になるといった理由から、原作通りに作られるようになっている。

構成員 編集

主要人物 編集

あの方
ジン(Gin)
ベルモット(Vermouth) / シャロン・ヴィンヤード(Sharon Vineyard)
ウォッカ(Vodka)

正規メンバー 編集

キャンティ(Chianti)
コルン(Korn)
バーボン(Bourbon)
老人

脱退者・別組織の潜入者 編集

シェリー(Sherry) / 宮野 志保(みやの しほ)
キール(Kir) / 本堂 瑛海(ほんどう ひでみ)
ライ(Rye) / 赤井 秀一(あかい しゅういち)
声 - 池田秀一
諸星 大(もろぼし だい)という偽名を使い、組織に潜入していたFBI捜査官。
情報目的で赤井は宮野明美と交際を始めるが、潜入後しばらくして正体がスパイだと判明し、逃走した[3]
沼淵 己一郎(ぬまぶち きいちろう)

故人 編集

宮野 明美(みやの あけみ)
テキーラ(Tequila)
呑口 重彦(のみぐち しげひこ)
ピスコ (Pisco) / 枡山 憲三(ますやま けんぞう)
カルバドス(Calvados)
宮野 厚司(みやの あつし)
宮野 エレーナ(みやの - )
楠田 陸道(くすだ りくみち)

劇場版オリジナルキャラクター 編集

原 佳明(はら よしあき)
声 - 橋本晃一
劇場版『天国へのカウントダウン』に登場。コンピュータ会社「TOKIWA」の専務であり、プログラマー(ゲーム関連が主)。チョコレート好きで子供っぽい一面を持ち、少年探偵団に懐かれていた。しかし、過去に組織に関与していたことがあり、組織を裏切りデータを持ち去ったとして同時期に発生した殺人事件のターゲットになっていたことでどさくさに紛れてジンに射殺された[4]。享年32。
なお、名前の由来はアニメのレギュラー声優陣の名前で、めぐみ山崎和神谷から1文字ずつ取っている。
アイリッシュ
声 - 幹本雄之
劇場版『漆黒の追跡者』に登場した大柄でがっしりした金髪の男。武芸に長じ、その腕前は空手の関東大会優勝者である蘭と互角以上であり、さらにコナンの正体を新一と見抜くなど、鋭い洞察力と情報収集力も持っている。警視庁潜入時にはベルモットの協力で、同じような体格の松本清長になりすましていた。
ピスコを父親のように慕っており、彼を殺害したジンを恨んでいた。そのため、工藤新一が江戸川コナンとして生きていることに気づいたものの、ジン達にそれを教えることはせず、コナンを生かしたままあの方に面会させることで「ジンが工藤新一を殺し損ねるという失態を犯していた」と認識させて、ジンを組織の幹部の地位から失脚させようとしていた。
東都タワーでコナンを追い詰めたが、逆に自身が警察に逮捕される寸前に陥り、正体が露見することを危惧したジンの命令により、キャンティに狙撃されて重傷を負う。最後は敵である自分の命を助けようとしたコナンをかばい、「工藤新一、いつまでも追い続けるがいい…」と彼に言い残して息絶える。使用拳銃はSIG SAUER P226。
岡倉 政明(おかくら まさあき)

テレビドラマオリジナルキャラクター 編集

黒服の男
テレビドラマ「工藤新一の復活! 黒の組織との対決」に登場。ケーキを食べて元の体に戻った灰原をナイフで狙ったが、蘭にナイフをたたき落とされて失敗。逃げ去った後にジンに射殺される。演じた俳優は不明。

特別編・番外漫画版オリジナルキャラクター 編集

アラック / アミリーン
特別編第26巻に登場。表向きは歌手として活動しているが、実際には組織の殺し屋である。標的の暗殺に失敗し、コナンによりその犯行を暴かれて逮捕されるが、護送中の車内で歯に仕込んでいた毒薬で自殺した。
ジュネリック
特別編第26巻「黒の組織…現る」に登場。通称・ジュネ。年齢はシェリーの実年齢より1歳年下。幼いときに両親に捨てられるも、その知能の高さを組織に注目され、13歳のときに施設から引き取られる。気弱で、自分を助けてくれたシェリーを姉と慕っていた。一時はシェリーと共にAPTX4869の開発も手がけており[5]、後に人の記憶を自在に操る薬の開発に成功。しかし、組織から逃走したシェリーを追い、自らもAPTX4869で幼児化して脱走。子供を事故で亡くした夫婦の実子になりすます。そしてシェリーの記憶を操作し、彼女と姉弟として生きようと企(たくら)むが失敗。彼自身がすべての記憶を失ってしまった。記憶を失った後は、先に述べた夫婦の子供として暮らしている。
黒髭(くろひげ)
特別編第35巻「豪華客船をウイルスから守れ」に登場。その名の通り黒いヒゲを生やした男で、組織に所属するウイルスの研究者。コードネームは不明。ジン達の命令で、彼が日本全国を感染させるために開発した強毒なウイルスの実験を豪華客船「エカテリーナ二世号」で行うことになり、「失敗すれば、命を償ってもらう」と脅される。
映画女優の子役・エバ・ポートのマネージャーとして豪華客船に潜入し、彼女もろとも船内の乗客を感染させようと企てるが、灰原がエバになりすましてすり替わっていたためコナンたちに犯行を見破られて失敗に終わり、姿を消す。最後は身元不明の水死体として発見されるが、脅迫通り組織に殺害されたのか、もしくは船から飛び降りて自殺したのかは不明。
アントニオ・ゴメス
「日本の歴史3」に登場。組織に所属していた歴史犯罪者。コードネームは不明。灰原も組織にいた頃に何度か顔を見たことがある。織田信長に関する資料を用いて組織に貢献していたが、ある作戦を独断で実行中、コナンにその犯行を見破られてしまう。

組織に関わった人物 編集

社長
声 - 辻親八
本名不明。ジェットコースター殺人事件の後、ウォッカが取引した人物。会社で行っていた拳銃密輸の証拠フィルムをネタに、組織に1億円をゆすられた。ジンが新一を殴り倒した直後におびえ、逃亡した(アニメではそれ以前に逃亡した)。その後の消息は不明[6]
広田 健三(ひろた けんぞう)
10億円強奪犯の1人。本名は不明[7]。年齢は48歳、身長170cm、東京都出身。タクシー運転手で、運転技術を買われて広田雅美に雇われた。盗んだ金を独り占めにして姿を消したため、共犯者の広田雅美と広田明が捜していた。広田明に見つかり絞殺される。趣味は競馬で、馬の名前(ゴーカイテイオー)に由来する名前を4匹の飼い猫につけていた(ゴウ・カイ・テイ・オウ)。
広田 明(ひろた あきら)
声 - 手塚秀彰
10億円強奪犯の1人。本名は不明。年齢は自称28歳。身長190cmを越える大男で、荒っぽい性格で、腕っぷしを買われて広田雅美に雇われた。盗んだ金を持って姿を消した広田健三の捜索を、広田雅美とは別の探偵に依頼し(広田雅美は小五郎に捜索を依頼)、その後彼を見つけて絞殺。しかし、広田雅美から睡眠薬として渡された青酸カリを飲んで自身も死亡[8]
キャリアウーマン風の女性
声 - 紗ゆり
本名不明。新幹線内でジン達と取引をした女性。「金(きん)に関する情報」が入ったケースをジン達から4億円で買い取った。しかし、ジン達は用済みとなった彼女を抹殺するためにケースに爆弾を仕掛けており、新幹線もろとも爆殺されそうになるが、コナンの活躍により間一髪で命拾いする。その後は警察に洗いざらい話したが、組織に深く関わった人物ではなかった。
なお、アニメでは彼女の取引相手はジン達ではなく、ジン達と容姿がよく似た上田うえだ、声 - 梁田清之)と下田しもだ、声 - 巻島直樹)という2人組だった[9]
中島 秀明(なかじま ひであき)
声 - 谷川俊
ゲーム会社「満天堂」の開発部社員。27歳。多額の借金があるらしく、満天堂の新作ゲーム発表会の会場でテキーラと取引し、全世界の有能なコンピュータプログラマーのリストを大金でテキーラに売ろうとしていた。しかし、交友関係で個人的に恨みを買っていた同僚の竹下 裕信たけした ひろのぶ、声 - 堀川仁)が彼を殺すために仕掛けた爆弾により手違いでテキーラが死亡してしまい、取引は失敗した。
岸井(きしい)
声 - 千葉一伸
アニメ第128話「黒の組織 10億円強奪事件」に登場した10億円強奪犯の1人で、広田雅美(宮野明美)に雇われた。ギャンブル好きでかなりの借金がある。ガードマンとして銀行に潜入し、現金輸送車の扉を中から開ける役目を担っていた。銭湯から自宅に帰る途中でウォッカに射殺され、口を封じられた。
貝塚 士郎(かいづか しろう)
アニメ第128話「黒の組織 10億円強奪事件」に登場した10億円強奪犯の1人で、元レーサーとしての運転技術を買われて広田雅美(宮野明美)に雇われた。銀行から車で逃走する際にレーサー並みの猛スピードで運転し、コナンのスケボーによる追跡を振り切ったが、マンションの自室でジンに射殺され、口を封じられた。
広田 正巳(ひろた まさみ)
声 - 中博史
南洋大学教授で、宮野明美の恩師[10]。研究所にいた頃に灰原が誤って姉に送ってしまった、組織の重要データ入りフロッピーを持っていたため、組織はフロッピーの中身を見た可能性のある広田教授を抹殺しようと考えるが、その前に組織と無関係の教え子・白倉 陽しらくら あきら、声 - 子安武人)に殺害された。享年61。
板倉 卓(いたくら すぐる)
声 - 大友龍三郎
以前は有名なCGデザイナーであったが、目を悪くしてゲームのシステムエンジニアに転向。有能なシステムエンジニアとして組織に目をつけられ、あるソフトウェアを作らされる。彼は日記で、以前そのソフトを作ろうとした際は「我々人間のために断念した」と書いているが、その具体的な内容は不明[11]
その後、ソフトを未完成のままにして、海外へ高飛びしようとした矢先、組織とは無関係の知人・相馬 竜介そうま りゅうすけ、声 - 阪脩)に私怨で殺害される。享年45。
狼男
声 - 広瀬正志
本名不明。「季節外れのハロウィンパーティー」に狼男の仮装で参加した男。パーティーの主催者の映画プロデューサー・福浦 千造ふくうら せんぞう、声 - 徳弘夏生)を個人的なことで憎んでおり、そのことをあるホームページに書き込み、ベルモットから「殺人計画を授けるから実行しないか」と勧誘された。1度はそれを断るが、自分と家族の隠し撮り写真など彼らの一日の行動が資料としてダンボール箱1つ分送られてきたため、脅迫されていると思いやむなく殺人を実行。コナンと新一の変装をした平次によって犯行を暴かれ逮捕される。
船本 透司(ふねもと とうじ)
声 - かないみか
組織に潜入したCIAの諜報員・キールこと本堂瑛海が、組織の暗殺計画実行中に起こしたバイク事故の原因になった少年。8歳。
キールのバイク事故唯一の目撃者であり[12]、その情報を得るためベルモットも彼に接触している[13]。組織は「目撃者が子供なら生かしておいても特に問題はない」と判断し、彼は組織の暗殺照準から外されている。

脚注 編集

  1. ベルモットはFBI捜査官であるジョディの父殺しの際、シャロン・ヴィンヤードの指紋を残したため正体が露見しているが、現在のクリス・ヴィンヤードとしての姿と年齢が合わないことが壁となって逮捕されないでいることと、「あの方」のお気に入りであることから、例外的に抹殺されないでいるようである。
  2. 作者は「ラム」のコードネームは登場させるつもりがないようで、「新装版うる星やつら」で「ラム」をコードネームに使えない理由と、組織の一員としてラムが登場した挿絵を寄せている。
  3. 明美について組織は「FBIを連れ込んだ女を生かしておくのは危険」と判断し、それが原因で彼女を死に追いやることになった。
  4. 殺害される寸前、犯人を指し示すダイイングメッセージ(銀をローマ字表記にしたGINを英語読みにするとジン)としてそばにあった銀色のナイフを手に握り締めていたが、ジンはこれを「ナイフで銃に抵抗する気」だと解釈してしまい、その真意に気づけなかった。一方、コナンはその真意に気づいたが、組織とは無関係の別の犯人により現場を偽装されていたことと"ジン"というコードネームが本名でもなく酒の名前でしかないことから、警察の捜査がこれ以上進展するのは望めないといった理由で、この件での追跡をあきらめた。
  5. 彼の弁によれば、APTX4869によって幼児化した生物は、再び通常に成長していくらしい。
  6. サンデー公式ガイド『名探偵コナン10+PLUS』(小学館、2003年2月)によると、「命だけは助かった」とされている。
  7. ただし彼に関しては警察により戸籍の調査がされており、彼の出身地や家族の有無に関する他の強奪犯の嘘が判明したものの、特に名前の偽称については述べられていないことから、「広田健三」はそのまま本名である可能性もある。
  8. なお、この10億円強奪事件の黒幕は原作では黒の組織であるが、アニメでは銀行強盗常習犯の沖田となっている。そのため、広田雅美を通じて睡眠薬と偽って青酸カリを渡したのは原作ではジンであるが、アニメでは沖田に置き換えられている。
  9. 最後にはこの2人組も逮捕されたが、この2人組が組織の構成員であったのかは不明である。
  10. 明美の偽名「広田雅美」は彼の名前が由来。
  11. 日記には、組織の指示で彼らの番号に電話をかけた際、女王のように高飛車な口調の女が出たこと、あるときその女をなじったところ、「我々は神であり悪魔でもある。なぜなら我々は、時の流れに逆らって死者を蘇らせようとしているのだから」と返されたということが記されていた。
  12. キールの事故についてはFBIにより形跡が抹消され、事故そのものが存在しなかったものにされていた。
  13. 母・船本 兼世ふねもと かねよ、声 - 川村万梨阿)が殺害された事件(犯人は組織とは無関係の父・船本 達仁ふねもと たつひと、声 - 菅生隆之))の捜査中、キールの事故のことやベルモットのことを目暮警部や小五郎らに打ち明けているが、コナンがとっさに「この前の仮面ヤイバーでやってたシーン」とごまかし、目暮警部らも「母親を亡くしたショックによる記憶の混乱」として本気にしなかった。

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