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工藤 新一(くどう しんいち)は、『名探偵コナン』の登場人物。アニメでの声優は、山口勝平

概要 編集

「日本の警察の救世主」「平成のシャーロック・ホームズ」と呼称され、東の高校生探偵として名を響かせていた[1]

しかし、「黒の組織」によって試作段階の毒薬であるAPTX4869を飲まされ、その副作用が働き小さな子供の姿になってしまう。組織に正体がばれ、周りの人間に危害が及ぶのを防ぐため、帝丹小学校に通う1年生・江戸川コナンと名乗り[2]、新一の幼なじみである毛利蘭の家で居候生活をしている。様々な事件を見事に解決しつつ、灰原哀服部平次などの協力を得て「黒の組織」の陰謀を追っている。

風邪の状態で中国酒の白乾児(パイカル)を飲むか(劇場版を含めて2回[+ 1][3])、または灰原哀が白乾児の成分を参考にして作った解毒剤を飲むことで一時的に元に戻ることができる(3回あり)。それらの際は灰原哀や服部平次、阿笠博士による偽装が行われた。

だが、解毒剤の効果が切れコナンの姿に戻るタイムリミットが近づくにつれて呼吸が荒くなり、目もうつろになり激しい動悸のため胸を押さえるなど、不自然な細胞の急成長・後退化により身体への負担が大きく、その変化は命がけといえる。

人物 編集

帝丹小学校1年B組。阿笠博士の遠い親戚(しんせき)の子ということにして、毛利家に居候中。体重は18kg。一人称は「オレ」だが、蘭などの子供のフリをしなければいけない相手に対しては「ボク」。

新一時代は帝丹高校2年B組。身長は、作者の青山剛昌と同じ174cm。住所は東京都米花町2丁目21番地[4]。父親は世界的に有名な推理小説家・工藤優作で、母親は元女優の工藤有希子である。高校生になってすぐの頃、両親の住むロサンゼルスへ向かう飛行機の中で発生した殺人事件を解決したのをきっかけに、警察から一目を置かれるようになる。

性格は常に冷静な二枚目を気取っているが、その実は負けず嫌い[5]でやきもち焼き、おだてられると喜びを大いに表したりと実生活ではクールになりきれず、その無鉄砲ぶりは阿笠博士灰原哀にも警告されている[6]。特に蘭のこととなると、ときに子供のような態度や無謀な行動に走ることも少なくない。彼女に命の危機が迫るに至っては、普段の冷静さから一転、周りが見えなくなりやすい。しかし、どんなときでもあきらめない強い意志と熱い部分を合わせ持つ。最近はあまり見られないが、初期の話では、事件が起こると喜んでしまう、また自分と無関係な事件にでも興味本位で首を突っ込むという悪い癖を持っていた。

体が子供になった後でも性格や癖、頭脳や技術などは変わっていないため[7]、その頭脳を駆使して数々の難事件を解決している。ただし体力などは相応の子供並に落ちており、探偵としての行動に制限がかかるため、阿笠博士の作ったメカ(「時計型麻酔銃」や「蝶ネクタイ型変声機」「赤外線望遠鏡機能・犯人追跡機能付き眼鏡」「イヤリング型携帯電話[+ 2][8]など)でそれを補っている。

体が小さくなったことにより声質も小さいころの声に戻っている[+ 3]。コナンの姿では、事件の真相を語っても相手にされないので、コナンの事情を知らない人の場合は麻酔銃で眠らせてから、コナンの正体を知っている人の場合は本人に口パクさせて、変声機で人の声を真似(まね)て真相を話すことにしている[+ 4]。基本的に、小五郎の引率先で事件が起るため、小五郎の声を使うというパターンが多い。小五郎がいない場合は園子阿笠博士山村刑事の声を借りることもある(劇場版では妃英理の声を借りた)。

上記の他に、小五郎や目暮警部にヒントを与えて自力で解かせたり、有希子や蘭に推理を教え込んで真相を話させたり、服部平次とのコンビで真相を話す[+ 5]こともある。

自分で真相を話すこともある。この場合犯人と1対1で相対する場合が多い(黒の組織幹部、怪盗キッド戦など、劇場版はほぼ毎回)。

少年探偵団がいるときは、彼らにトリックの実演またはヒントとなるキーワードを言わせるなどして協力してもらう。

周囲に自分の推理を話す際、素の状態で(工藤新一として)推理を披露するとそれに慣れていない大人に怪しがられるため、子供のフリをして「あれれ~?おっかしいぞぉ~?」のような口調で話す。また、大人でも知らないような知識をつい話してしまうことがあり、気づいた後には「(親戚(しんせき)のフリをしている)新一から聞いた」「~ってテレビでやってた」と、あわてて言い直したりしている。

「ピアノソナタ「月光」殺人事件」では犯人の自殺を阻止できず、死なせてしまう。この事件はコナンの心に暗い影を落とし、それを回想するときには悲しげな瞳を見せる(本人曰く「推理で犯人を追い詰めて死なせてしまっては、殺人者と変わらない」とのこと)[9][10]

幼なじみの毛利蘭とは両想い。なかなか素直になれないでいたがある事件をきっかけに、蘭に対して「好きな女」と告げることができた。[11]。自分を想う蘭の恋心に関しては、平次があきれ果てるほど非常に鈍感。しかし、母・有希子から「女」に関しての雑学を吹き込まれている影響から、面識の有無を問わず他人の恋愛ざたには非常に敏感であり、推理で色恋ざたが絡む際には不自由していない。

小学1年生の頃は恥ずかしがって蘭のことを名字の「毛利」と呼び、自分のことも「工藤くん」と呼ばせようとしていた時期があったが、とある些細(ささい)な謎解き事件がきっかけで、たがいに下の名前で呼び合うようになったというエピソードもある。

コナンになって蘭に守られる立場となってしまったことにショックを受けたり、女たらしなナンパ男が蘭をだましていると誤解した際には露骨に激怒したりと、恋愛観に関しては古風な観念を持つ。

蘭には「やっかいな事件に関っているから解決するまで帰れない」ことにしているが、蘭が心配しないように蝶ネクタイ型変声機で時々新一の声で電話をかけている。

サッカー好きで、帝丹中学所属時は、1年生でいきなりサッカー部のレギュラーでミッドフィールダーに抜擢(ばってき)されたほどの技術の持ち主。その技術はJリーグにスカウトされるほどだったが、新一本人はあくまで探偵に必要な運動神経を養うためだけに行っていただけらしく、止めてしまった。蘭曰く、「続けていれば国立のヒーローになっていた」とのこと。犯人が逃げたりする際に、足元に落ちてある物をサッカーボールをけるようにして相手にぶつけて、相手の動きを止めることもある。好きなサッカー選手はレイ・カーティス[12]少年探偵団と遊ぶときは野球をすることが多いが、本人はサッカーをしたいため不満そうにしている。

シャーロック・ホームズの大ファンで、「世界最高の探偵」と評している。好きな言葉は "When you have eliminated the impossible, whatever remains, however improbable, must be the truth." 「すべての不可能を消去して、最後に残ったものがいかに奇妙なことであっても、それが真実となる」であり、これもホームズの推理論である(『四つの署名』より)。

自分の好みの話題(特にホームズ関連)になると、一方的にその話を続けてしまう。第1話でも、せっかく遊園地に遊びに行ったにもかかわらず、話す内容はすべてホームズのことばかりだと蘭にあきれられてしまっていた。そのため蘭からは「推理オタク」と呼ばれることがある。

かなりの音痴であり、音楽の授業は大の苦手[13]。さらに興味がないためか楽想記号の意味を知らないなど知識にも乏しく、それがきっかけで蘭に正体がバレそうになったことさえあった。しかし音感のみに関しては蘭よりもはるかに優れており、絶対音感を持っている[14][15]。また、ホームズができるということでバイオリンにだけは異常に詳しく、一応弾くことができる。

ネイティブの人とも普通に話せるほど英語に堪能である。しかし、蘭にさえ違和感を覚えさせるほど妙な関西弁を披露することもある(平次を眠らせた時)。作者曰く外国語は「いっぱい」話せるとのこと。その他にもありとあらゆる知識を持っており、推理をするときに役立てている。しかし、時には大抵の人が知っていそうな単純なことを知らない場合もある。

劇場版では拳銃や多くの乗り物(自動車からヘリコプター、ジャンボジェット機まで)を自在に扱っていて、本人曰く「ハワイで親父に教わった」とのこと(このセリフは劇場版初期のころは定番となっていたが、近年は見られなくなった)。『探偵たちの鎮魂歌』でIDの起爆装置を解除するためにハッキングらしきことをしていたり、接続コードなどをいじくっていたことから、機械にも詳しいと推測できる。

芸能界にはあまり興味がないらしいが、ある事件をきっかけに知り合ったTWO-MIX高山みなみからCDを貰ってからは、カラオケボックスに行くといつもその歌を歌っているという。

苦手な食べ物はレーズン(作者の青山剛昌も、同じくレーズンが苦手)[16]で、中学時代の先輩によればレモンパイが好物[17]。キュウリをうまく切れずにつなげてしまうなど、料理は苦手な様子。

一人称はコナンと同じく「オレ」だが、推理を披露するときや、大人を相手にするときには「僕」。口癖は「バーロ[18]」。基本的には標準語を話すが、親しい者との日常会話には、しばしば江戸っ子特有の表現(「バーロ」や、語尾に「よ」を多用する傾向(「~って言ってたからな」 → 「~って言ってたからよ」など))が混ざることがある。

工藤新一の呼ばれ方 編集

周りからの呼ばれ方は、蘭・優作が「新一」、小五郎が「探偵ボウズ」「新一」、英理が「新一君」、阿笠が「新一」・「新一君」、園子・目暮警部が「新一君」・「工藤君」、灰原・和葉・警察関係者が「工藤君」、有希子が「新一」・「新ちゃん」、平次が「工藤」。歩美が「新一お兄さん」、光彦が「新一さん」(劇場版など)。蘭らの前でコナンとして新一(自分)を呼ぶ場合は「新一兄ちゃん」。なお、怪盗キッドと昔会ったことがあり(直接ではないが)、そのときは「頭の切れるジョーカー」と言われていた。

名前の由来は、『探偵物語』の主人公である工藤俊作の工藤。「新一」の由来は明確にされていない[19]

思考・推理法 編集

主にシャーロック・ホームズを念頭に置いた、アブダクション目的の細やかな証拠品の収集・回収と、そこから導かれる事件概要の追及が中心である。特に証拠品に関する雑多で詳細な知識から引き出された説明や指摘がしばしば見られ、その子供の容貌(ようぼう)と相まって周囲の大人(特に初対面者)を驚かせることが非常に多い。一方で犯罪者・関係者の心理推測もよく行われるが、それはあくまで事件内容の推理の補助や関係者のセリフについての推測・疑問に関してに限定され、広範囲な関係者の人物像や生育環境にまで踏み込んだプロファイリング的な活動は行わないことが多い。

補足 編集

  • コナンの正体について、クロスオーバー作品では『名探偵コナン&金田一少年の事件簿 めぐりあう2人の名探偵』で金田一一が彼の正体に気づき[+ 6]、『ルパン三世VS名探偵コナン』でもルパン三世次元大介石川五ェ門峰不二子の4人にも正体が知られた[+ 7]
  • 誕生日は5月4日だが、自分の誕生日を忘れていることが多く、毎年に思い出させられている様子。「5月4日」のことを思い浮かべても、自分の誕生日のことは連想せず、「『最後の事件』でシャーロック・ホームズがモリアーティ教授とライヘンバッハの滝に転落した日」というマニアックな連想をする[20]
  • 血液型は不明だが、蘭と同じである。彼女からの輸血で一命を取りとめたエピソードもある。
  • 本当の姿である工藤新一としての登場は少なく、新一の声を担当している山口も出番が少ないことを嘆いている。
  • 新一の海外版での名前はJimmy Kudo。コナンはそのままConan Edogawaである。またアニメでは、コナンと新一の声はもちろんそれぞれ別の声優、アリソン・ヴィクトリン(コナン)とジェリー・ジュエル(新一)が担当しているが、コナンが頭の中で考えているときの台詞だけはジュエルが声を当てており、江戸川コナンの正体が工藤新一であることをより強調する演出が見られる。

注釈 編集

  1. 劇場版『迷宮の十字路』内では白乾児と、風邪と同じ作用を起こす阿笠博士の発明した薬によって元に戻った。
  2. 「イヤリング型携帯電話」に関しては、あるバスジャック事件で犯人に奪われたが、その後アニメでは何度も使用しているため、関係ないと思われる。
  3. 実際、回想に見られる小学生時代の新一は今のコナンと同じ声である。
  4. ルパン三世VS名探偵コナン』では小五郎に変装したルパンに口パクさせて変声機で真相を話したが、このときのルパンの口は動いておらず、しかもその都度ルパンが勝手な行動をとったりするため、コナンは半ばあきれていた。
  5. この場合も小五郎を眠らせることが多い。
  6. しかし、高校生が小学生に化けるのは普通ありえないため、その考えを没にしている。
  7. ルパン一味がコナンの正体を知った経緯は不明。なお、コナンはルパンの名を知るまではルパンのことを「泥棒のおじさん」、次元のことを「パパ」(捜査上、親子を装った)、不二子のことを「バイクのお姉さん」と呼称している。

脚注 編集

  1. 映画『時計じかけの摩天楼』で過去に警察が把握する新一の推理で逮捕された犯人の履歴を調べると、全員が刑務所に服役していたことが判明している。
  2. 「江戸川コナン」という名前は、工藤邸の書斎にて蘭に名前を聞かれた際、すぐそばの本に書いてあった江戸川乱歩とコナン・ドイルの名前からとっさに考え出した。
  3. ドラマ版第2弾では、白乾児と他の酒を混ぜて作られたケーキを偶然食べたことで元に戻っている。
  4. ホームズが住んでいたとされるベーカー街221Bに由来(『コナンドリル』(ISBN 9784091794024)より)。
  5. TVゲームがへたで、元太たちによくバカにされるのが悔しいためか、毛利小五郎毛利蘭が就寝した後、居間でこっそり練習している(劇場版『ベイカー街の亡霊』より)。
  6. 体が小さくなってしまったのも、軽い気持ちで事件に首を突っ込んだからだと阿笠に諭されたことがある。
  7. 当然、指紋は変わらないため『工藤新一の殺人』では服部平次がコナンの指紋を用いて新一の疑いを晴らしたり、『探偵たちの鎮魂歌』と『漆黒の追跡者』では指紋をもとに一部の人間に正体が知られたりしている。
  8. 携帯電話が普及したこともあり、今はほとんど使っておらず、別に、W21Sのエナジーレッドを新一として1台、コナンとして1台所持している。劇場版などでは多少変更されている。ダイヤルロックの暗証番号は、シャーロック・ホームズにちなんで「4869」。
  9. 「山荘包帯男殺人事件」では、蘭への殺人未遂を働いた上、自分の殺人を正義として正当化したまま自殺しようとした犯人に「死にたきゃ勝手に死ね!」と暴言を吐いたこともあるが、それは犯人に自殺を思いとどまらせ、罪を悔い改めさせるためであったと思われる。
  10. 「ピアノソナタ「月光」殺人事件」は、間接的に服部平次の探偵としてのあり方にも影響を及ぼすことになる。
  11. 彼が蘭を好きだと思い始めた時期については、中学生の頃に言ったとされる「小さい頃から気になっている奴がいる」との言及や、劇場版『水平線上の陰謀』でのエピソードからも、小学校低学年あるいはその前から好きだったのではないかと推測されるが、蘭が新一への想いに気づいたのは高校1年生で遭遇した事件によるもののため、新一の立場として見れば10年以上と相当な年月をかけた片想いだった可能性が高い。
  12. 後にレイが起こした殺人事件をコナン自らが暴くことになる。そのときのレイはヘロインの影響で体はボロボロでコナンがけったボールも捕れなかった。
  13. 中学時代は、リコーダーを吹けば教師(松本小百合)にタクトでピシパシたたかれ、歌を歌えば音程を外してばかりで、新一にとっては最悪だった様子。
  14. 日本音響研究所の所長・鈴木松美(実在の人物)曰く、「この音痴は声がうまく出せない音痴であって、音はしっかり聞くことができる音痴である」とのこと(『コナンドリル』より)。絶対音感があることについては劇場版『戦慄の楽譜』でほぼ明らかになったが、それ以前にも「ピアノソナタ「月光」殺人事件」において、ピアノの音階をアルファベットに置き換えた暗号を耳だけで聞いて内容を理解している描写がある。
  15. 実際には、「うっかり音痴っていう設定を忘れてたんだよね」と、作者は高山みなみとの対談で語っている。(『名探偵コナンカラーイラスト全集』(小学館)2003年「青山剛昌×高山みなみスペシャル対談!!」より)
  16. この設定は『名探偵コナン 特別編』の作者の1人で青山剛昌のアシスタントでもある山岸栄一が考案したものである。初出は特別編2巻のおまけマンガから。
  17. ただし本人の言及はなく、蘭にやきもちを抱いた先輩のでまかせの可能性が高い。
  18. 「バカヤロー」の意味。アニメ版での高山みなみの口調が特徴的に聞こえることからか、インターネットスラングとして「バーロー」と表記されることが多いが、原作中では「バーロ」の表記の方が主流。本来は、作者が「馬鹿野郎」というストレートな罵倒(ばとう)語を作中で用いることを避けたための表記であり、青山作品に登場する他のキャラクター(小五郎など)も使用する言葉である。また、類似の言葉として、「この野郎」を意味する「ニャロ」というバリエーションもある。
  19. ファンの間では、『エドガー・アラン・ポー』の「アラ」が「新」で「ポー」の「ー」が一で、合わせて新一だとも言われている。
  20. 劇場版『時計じかけの摩天楼』より。

関連項目 編集

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